紅白歌合戦の奈保子さん

これまでに河合奈保子さんはＮＨＫ紅白歌合戦に6回出場しています。ちょっとした一覧を作って、マスターなり のコメントをつけてみました。ちなみに公開施設およびNHKの再放送にて実際に映像を見ています。

第３２回	1981年（昭和56年）	ひとこと
曲目	スマイル･フォー･ミー	奈保子さんの記念すべき初出場。NHKホールでの転落事故 からの復帰直後だったため、心ない一部マスコミに「取引した んじゃないか」と言われて大きなショックを受けたそうですが、 本番では笑顔いっぱいで歌っています。トップバッターのため 紅組歌手が後ろにズラリ並んでおり、なかなか壮観です。 　黒柳さんが紹介の際、「コルセットもまだとれないのよ。お辞 儀も上手にはできません。でもこんなに元気になりました。本 当によかった」とコメントしておられます。
出演順	1番目
対戦相手 曲目	近藤真彦（初出場） ギンギラギンにさりげなく
衣装	白
司会	紅組：黒柳徹子 　　　白組：山川静夫アナ

第３３回	1982年（昭和57年）	ひとこと
曲目	夏のヒロイン	元気いっぱい、笑顔いっぱいで歌っておられます。途中では 衣装の早変わりも披露し、おもいっきりアイドルしてますね。 　冬に聴く「夏のヒロイン」というのは、本来ならあまり合わな い感じなのでしょうが、紅白という花舞台では特に違和感なく 聴けます。 　ちなみにこの年は、聖子さんと一緒に紅組代表として冒頭の 選手宣誓をしております。
出演順	２番目
対戦相手 曲目	田原俊彦（３回目） 誘惑スレスレ
衣装	白、途中早変わりピンク
司会	紅組：黒柳徹子 　　　白組：山川静夫アナ

第３４回	1983年（昭和58年）	ひとこと
曲目	ＵＮバランス	歌が一段とうまくなったことを反映してか？対戦相手が大先 輩、郷ひろみさんです。この年の（というかご自身の）最大ヒッ トは「エスカレーション」なのですが、なぜ「UNバランス」になっ たのでしょう？歌詞が不適切だったのでしょうか（笑） 　衣装は、袖の部分に羽根みたいなものが付いていましたが （ミニ　ジュディ･オング？）最後のほうでちょっと見せるだけで した。なんとも奥ゆかしいです。
出演順	３番目
対戦相手 曲目	郷ひろみ（11回目） 素敵にシンデレラ・コンプレックス
衣装	白、羽根？つき
司会	紅組：黒柳徹子 　　　白組：鈴木健二アナ 　　　総合：タモリ

第３５回	1984年（昭和59年）	ひとこと
曲目	唇のプライバシー	この年はついに「お兄さん」である西城秀樹さんとの対戦。 デビューのきっかけを作ってくれた（ご自身もファンだった）方と の競演はうれしかったのではないでしょうか。 　歌唱もさらに磨きが掛かって迫力すら感じられ、他のアイド ルとは一線を画しています。でも衣装はアイドルしてますね。 光ファイバーを仕込んだ電飾も綺麗でした。 　この年まで、偶然出場回数がそのまま出演順であり、この ネタをもとに鈴木アナが「あなたが２０番目を歌う頃は２１世紀 ですね。若いっていいなあ」と掛け合いで話しています。残念 ながら今のところ実現してませんが・・・
出演順	４番目
対戦相手 曲目	西城秀樹（11回目） 抱きしめてジルバ
衣装	白、電飾つき
司会	紅組：森光子 　　　白組：鈴木健二アナ 　　　総合：生方恵一アナ

第３６回	1985年（昭和60年）	ひとこと
曲目	デビュー	出場回数がそのまま出演順だったのが一転、2番目になっ たのですが、このことで前出演者の居座り妨害事件に巻き込 まれてしまい出だしを歌い損ねたのは痛恨の極みです。（別 館雑記帖2003/12/21参照） 　この年に限らないのでしょうが、奈保子さん＝笑顔という捉 え方があって、司会の森さんは「紅組は若さだけではありま せん。この方の笑顔にかなうものはありません」と紹介してお られます。そう紹介されたから、というわけでもないでしょう が、冒頭のアクシデントにもかかわらず気を取り直して笑顔で 歌いきっています。
出演順	２番目
対戦相手 曲目	シブがき隊（４回目） スシ食いねェ！
衣装	白、温度差で薔薇の花が浮かび上 がる
司会	紅組：森昌子 　　　白組：鈴木健二アナ 　　　総合：千田正穂アナ

第３７回	1986年（昭和61年）	ひとこと
曲目	ハーフムーン・セレナーデ	現時点で最後の出演です。曲順はぐっと上がりましたが、 対戦相手は初出場のときと同じ近藤真彦さんです。司会の目 加田アナが、奈保子さんの作曲活動とこの曲が自作曲であ ることをしっかり紹介してくれています。 　黒のシックな衣装でピアノを引きながら歌う奈保子さんは美 しく、もちろん歌唱も良くていわゆるアーティストへステップア ップしたんだなと実感できます。惜しむらくはピアノの音がバ ックバンド（NATURAL）の演奏に沈みがちだったことと、曲が ワン･ハーフなこと。やはりこの曲はフルコーラス聴かない と・・・ 　それにしても、「ハーフムーン・セレナーデ」は紅白のトリで 歌っても通用する名曲だと思います。いつか実現できるとい いのですが・・・ 　ちなみにこの年は応援合戦にもちょこちょこ登場してます し、ステージ上の応援席でも良い位置にいて結構映っており 楽しめます。後半の衣装は華やかさに欠けてちょっとどうかと 思いますが（笑）
出演順	１０番目
対戦相手 曲目	近藤真彦（６回目） 青春
衣装	黒
司会	紅組：目加田頼子アナ 白組：千田正穂アナ 総合：吉川精一アナ （キャプテン） 紅組：斉藤由貴 白組：加山雄三

追記とおまけ

第３４回（1983年） 　この年「UNバランス」を歌ったのは、「エスカレーション」と比べて更に歌唱力が要求される楽曲、というのが理 由のひとつでは無いか、という感想をいただきました（ｆｒｏｍ　Kazさん）　[2003/12/23追記] 　白組司会者の誤記修正と総合司会を追加しました。［2004.3.29］ 第３５回（1984年） 　この年は都はるみさんがこの紅白出演を最後に引退（後に復帰）ということで、出場曲とは別にアンコールで 「好きになったひと」を歌わせるという演出がありました。白組司会・鈴木健二アナの「私に1分間時間をください」 という名台詞は、歌うことを渋るはるみさんを説得する際に発せられました。そして最後の最後で、総合司会の生 方恵一アナが「ミソラ」と口走ったことが責任問題となり、これがきっかけで生方アナは民放移籍したといわれて います（笑）[2003/12/23追記] 第３６回（1985年） 　2003年12月20日にNHK衛星第２で再放送されました。 　妨害事件の顛末としては、事件を引き起こした吉川氏の事務所サイドからのお詫びはあった模様です。また、 吉川氏は当時NHKから出入り禁止の処分を受けていた模様です。[2004/01/06追記] 第３７回（1986年） 　このときの、奈保子さんのピアノ弾き語りの写真がNHK放送博物館の３F展示室に飾ってあります。マイクの変 遷と歌うスタイルの変化を紹介したコーナーで「楽器を演奏しながら歌う歌手も増えてきた」というキャプションが ついています。よく考えてみると、紅白で客席に顔を向けずに歌った歌手というのも珍しいのではないでしょうか。 [2003/12/22] 　奈保子さんと同じように、ピアノ弾き語りで客席に顔を向けずに歌った前例としては、第25回（1974年）で「あな た」を歌った小坂明子さんが確認できました。[2004/01/06追記] 　司会者と「ひとこと」を修正しました。斉藤由貴さんと加山雄三さんは両チームのキャプテンという扱いで、曲や 出演者の紹介をしているものの厳密には司会ではありません。奈保子さんの出番のときは、「次は奈保子さん」 の紹介を斉藤さんが、曲紹介を目加田アナが担当しています。[2004/11/02追記] 公開映像について 第32回（1981年）を除き、以下の公開施設にて当時の映像を丸ごとご覧いただけます。 　　・ＮＨＫアーカイブス（第33回〜第36回） 　　・放送ライブラリー（第37回） なお、第32回については番組そのものは公開されていませんが、スタジオ入りの様子、公開リハ・本番の様子 が写っている記録ドキュメント「栄光の舞台の記録　紅白歌合戦この10年の裏表」が放送ライブラリーで公開され ています。[2005/09/26追記] 詳しくは「奈保子さんを観よう」のコーナーでご確認ください。